名残惜しい -たゆたう波のように-
普段何気なく使っている言葉ですが、
漢字で書いたときに「あれ、なんでこの漢字使うんだろう?」と不思議に思うことがあります。
今までは「へぇ~こういう漢字使うんだ!」
で終わっていたのですが、ブログを書き始めた影響でしょうか
「なんでこの漢字を使うのか調べてみよう!」と思うようになりました。
ちょっと成長…?
今回は「名残惜しい」
「名残惜しい」の意味は?
別れがつらく、心残りのするさま。
過ぎ去る物事に心ひかれ、長くとどめたいという思い。また、別離がつらく心残りであるさま。
などなど。
少し後ろ髪引かれるような気持ち、とも例えられるでしょうか。
「名」と「残る」と「惜しい」
「惜しい」は失いたくないとか、残念だとか、もったいないというような意味ですよね。
では「名残」は?
なぜ「名」が「残る」で「なごり」なのでしょうか。
「名残」
という言葉の意味は
物事が過ぎ去った後にその影響や気配がまだ残っていたり、別れがつらく、心残りのするさまのことを言います。
この意味を考えると、「名残」だけで「名残惜しい」という言葉の意味をほとんど表しているんですね。
波残り、なみのこり
「名残」の語源は「余波」だそうです。
波が打ち寄せた後に残る海水や海藻。
また、大きな波から小さな波へ。
その様を昔は「波」が「残り」で「なごり」と呼び、
今では「余波(よは)」と呼びますが、この字で「余波(なごり)」と呼んでいたそうです。
それがいつしか「名残」という字があてられるようになった。
当て字だったんですね。
しかも平安時代あたりからこの字が使われていたそうです。
平安時代というと和歌でラブレターのやり取りをしていた時代だったような…
文に書くのであれば確かに「余波」より「名残」の方が雰囲気がある気もします。
名前、名声、名目、名人、仮名などなど。
「名」がつく漢字は沢山ありますが、どれもその存在を表しているような言葉ですよね。
これは勝手な想像ですが、「名」という文字が連想させる「そこにある」という雰囲気が「なごり」という言葉の持つ意味にぴったり当てはまったということなのかなと思いました。
もしかしたら当時は新語・流行語だったかもしれませんね(笑)
ラブレターに書くのにぴったりですよね!
ひとつの文字でイメージを膨らませられる漢字の奥深さ、面白いですね。
その起源を知り、歴史を想像し、自分なりの解釈ですが今後もこうやって知識を深めていけたらいいなと思いました。